知的障害児に療育手帳は必要?メリットや活用方法、申請の流れを解説

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知的障害 療育 手帳 発達障害についての情報まとめ

知的障害と診断されたお子さんがいる家庭にとって、療育手帳は生活や学習を支える重要なサポートツールです。

医療費助成や放課後等デイサービス、特別支援教育の利用、公共施設の割引など、さまざまな支援を受けやすくなります。

この記事では、療育手帳を取得することにどのようなメリットがあるのか、障害者手帳との違いは何か、そして手帳の活用方法について詳しく解説します。

知的障害の診断がおりたら療育手帳を取得しよう

知的障害 療育手帳

知的障害の診断がおりたら、療育手帳の取得を検討することをおすすめします。

療育手帳は、医療費助成や放課後等デイサービス、特別支援教育の利用、公共施設の割引など、さまざまな支援を受けやすくするための制度です。

必ず取得しなければならないものではありませんが、子どもの生活や学習を支える大切なツールなので、ぜひ活用してみてください。

取得することで家庭と行政・学校との連携がスムーズになり、子どもに合った支援計画を立てやすくなります。

わが家では、知的障害の診断がおりて特別支援学級への転籍が完了してから、取得しました。

はち
はち

正直、支援学級への転校手続きで忙しくて、手帳の取得は後回しになってしまっていました

療育手帳を取得するメリット

療育手帳を取得することで、子どもの生活や学習に必要な支援を受けやすくなります。

医療費の自己負担軽減、放課後等デイサービスや特別支援教育の利用、公共施設や交通機関での割引など、さまざまな優遇措置が適用されます。

学校や支援機関と連携し、子どもの特性を共有しやすくなるのもメリットですね。

個別支援計画の作成や生活サポートがスムーズになり、子どもにとってもよりよい学びの環境が得られるのですね。

手帳は、家庭と行政の連携を強化し、子どもの成長を支える重要なツールです。

療育手帳の取得は義務?

療育手帳の取得は、義務ではありません。

希望に応じて申請する任意の制度で、診断が下りたからといって自動的に交付されるわけではありません。

取得するかどうかは、家庭の判断や支援の必要性によって決められます。

ただ、支援や助成を受ける際、手帳を提示しなければいけない場合が多くあるのも事実。

子どもの特性や生活環境に応じて、取得を検討することが推奨されているようです。

ただし、意外な落とし穴もありました。

最初、療育手帳の取得を検討していると小児科の先生に話してみたところ

小児科の先生
小児科の先生

療育手帳か…この子は取れないかもよ

と言われたんです。

「知的障害」の診断が下りてるのに療育手帳が取れないってどういうこと???

と、わけがわからなくなり聞いてみると、こういうことでした。

  • 療育手帳の取得には、医師の診断はあまり関係ないことがある
  • 医師の診断よりも、児童相談所での面談がポイントになる
  • まめ君は学習面で知的障害が出ているが、社会性は高い
  • 面談でもおそらく問題なく受け答えができるので「手帳は必要ない」と判断される可能性がある

なんと、医師の診断がある=療育手帳を必ず取得できるというわけではなかったのです。

はち
はち

結論から言うと、児童相談所での面談の結果、ギリギリ取得できました!

障害者手帳とは違う?

結論からいうと、療育手帳は「障害者手帳」という大きなカテゴリの中の1つです。

まず「障害者手帳」というカテゴリに何が含まれるのか見てみましょう。

手帳の種類対象となる障害主な特徴・支援内容
身体障害者手帳視覚障害、聴覚障害、言語障害、
肢体不自由、心臓・腎臓・呼吸器
などの内部障害
等級は1〜6級(重い方が数字が小さい)
税金や公共料金の減免、交通機関の割引、
就労支援、福祉サービスの利用が可能
精神障害者保健福祉手帳統合失調症、うつ病、双極性障害、
発達障害を含む広い精神疾患
等級は1〜3級
障害者雇用での就職支援、
所得税・住民税の控除、交通費割引など
発達障害が単独で対象になる場合もある
療育手帳知的障害(軽度〜最重度)等級区分は自治体により異なる
(例:A=重度、B=中軽度)
福祉サービスの利用、税金や医療費の軽減、
交通機関やレジャー施設の割引など

この中で療育手帳は、主に知的障害や発達の遅れを対象とした自治体発行の手帳です。

医療費助成や教育支援に重きをおいた特徴があり、知的・発達面での支援に特化した公的証明書として位置付けられています。

一方「障害者手帳」とは、身体や精神の障害に対して交付されます。

  • 身体障害者手帳:身体障害
  • 精神障害者保健福祉手帳:精神障害

これらは、医療費軽減や福祉サービスの利用、税制上の優遇措置が中心となった手帳です。

はち
はち

診断名に「障害」がつけば、障害者手帳が取得できると思ってしまいますよね

そのため、身体障害や精神障害を患っていない場合には、障害者手帳を取得することはできません。

通所受給者証とは違う?

療育手帳は、よく通所受給者証と混同されることがあります。

これらには明確な違いがあります。

療育手帳は一生使える「障害者手帳」の1つで、通所受給者証は「サービス利用のパス」のようなもの。

療育や発達支援に通う子どものために発行され、取得すると放課後等デイサービスや児童発達支援などの福祉サービスを利用できるようになります。

知的っ子ママ
知的っ子ママ

意味合いとしては近いけど、所有・使用する目的が違うものなのね

はち
はち

逆に、療育手帳を持っているだけでは放課後等デイサービスを使えませんし、通所受給者証を持っていても障害を証明することはできないんです

知的障害とは

知的障害 療育手帳

知的障害とは、知的機能や適応行動に制限があり、日常生活や学習に影響を及ぼす状態を指します。

IQ検査などで知的機能を評価し、適応行動の困難さとあわせて判断されるのが一般的。

発達期(18歳未満)に症状が現れることが診断の条件で、障害の程度によって支援の内容が異なるのも特徴ですね。

子育てママ
子育てママ

18歳以降で、事故や病気などの原因がないまま「知的障害」と診断されることはないんですね

知的障害は「生まれつき」の原因が多いですが、早期に理解し、適切な支援を行うことで、生活能力や学習力の向上が期待できますよ。

具体的に、知的障害の特徴や困りごとについて見てみましょう。

こちらの記事では、知的障害と発達障害の違いについて解説しています。

学習や知的理解で困りごとがある

知的障害の子どもは、一般的に年齢に応じた学習や、理解が難しい場合があります。

文字の読み書きや計算、日常のなにげない手順などが理解できる、つまずくことが多くあるでしょう。

学校では個別に補助したり、家庭で適切な支援をしたり、つなげたりすることが必要です。

学習のペースが遅いことは、知的障害の子どもにとって「努力不足」ではありません。

知的機能の発達に差があるためなので「頑張ればできるはず」と無理をさせないようにすることが大切でしょう。

早い段階でその特性を理解し、適切な学習支援を行うことで、生活能力や学習力を向上させることができますよ。

はち
はち

その子に頑張らせるのではなく、環境を変えることが先決です!

年齢相応の生活スキルが不足する

知的障害の子どもは、年齢相応の生活スキルや、社会的ルールの理解が難しい場合があります。

たとえば身支度をするにも、順番がわからなかったり、1人で買い物をするのが難しかったり、順番を守るという一見簡単な行動ができなかったりします。

このため、家庭や学校で注意深く見守ってあげたり、個別に指導したりする支援が重要になるのですね。

この支援を継続することで、知的障害のある子どもでも日常生活の自立度を高めることができます。

それが、本人のストレスを軽減したり、自己肯定感を向上させたりすることにもつながるでしょう。

はち
はち

ちょっと頑張ってもらえれば、後が楽になるよ

コミュニケーションに困難さがある

知的障害の子どもは、言葉の理解や表現に時間がかかることがあります。

また、相手の意図や感情を読み取るのが難しいこともあり、友人関係や集団生活でトラブルが起きがち。

簡単な言葉を選んだり、ジェスチャーを使ってやり取りをしたりしてみましょう。

知的障害のある子どもにとってわかりやすい方法を採用することで、コミュニケーションが円滑になります。

そうすると、本人は安心して学習や遊びに参加できるようになるでしょう。

療育手帳とは

知的障害 療育手帳

療育手帳は、知的障害や発達の遅れがある子どもが受けられる行政上の証明書です。

自治体ごとに「A・B」などの程度が分類されます。

療育手帳を持つことで、医療費助成や福祉サービスの優先利用、公共施設の割引などのサポートを受けることが可能になります。

また、学校や支援機関に提示することで、教育面での配慮や指導の参考にもなることも。

家庭と行政、学校が連携して療育手帳を活用することが大切なのですね。

それでは、具体的な使い方を見てみましょう。

障害の程度を公的に証明

療育手帳は、知的障害や発達の遅れがあることを自治体が公的に証明する書類です。

A・Bなどの等級に分けられ、障害の程度を明示します。

手帳を提示することで医療費助成、福祉サービス利用、学校での配慮など、様々なサポートが受けられます。

はち
はち

手帳1つで、この子には障害があるということを一目で証明できるのは便利ですよね

各種支援や優遇措置の利用

療育手帳を持つことで、医療費自己負担の軽減や特別支援教育、放課後等デイサービス利用の優先、公共交通機関や社会福祉施設での割引などが受けられます。

障害の程度に応じて利用可能なサービスが変わるため、手帳の等級を確認することが重要。

この等級を明確に判断するために、手帳取得までには数ヶ月をかけ、専門家の審査や面談がおこなわれるのですね。

療育手帳の交付と同時に、各自治体で配布しているハンドブックやガイドブックのようなものが送られてくると思います。

そこに、療育手帳を持っていることで受けられるサービスが一覧化されていますので、子どもに適したサービスを探してみてください。

はち
はち

わが家の地域では、タクシーやバス代の割引、住民税の免除などがありました!

学校や支援機関との連携に役立つ

療育手帳は、学校や支援機関との情報共有にも活用されます。

特性や支援の必要性を明示できるため、個別の指導計画や生活支援の参考になるのです。

手帳を活用することで、子どもの学習環境や日常生活を適切に調整することが可能に。

保護者の負担軽減にもつながり、学校や専門機関と連携できる安心感も感じられますね。

療育手帳の取得方法

知的障害 療育手帳

療育手帳の申請は、子どもが住む自治体の福祉窓口で行います。

医師の診断書や心理士による知能検査の結果など、必要書類を提出し、自治体の判定委員会で審査されるという流れです。

判定に基づき、障害の程度(等級)が認定されると、手帳が交付されます。

手帳を取得すると各種サービスの利用が可能になります。

具体的な流れをまとめてみましょう。

1. 事前準備|必要書類の確認

療育手帳の申請をする前に、まず自治体の福祉窓口で必要書類を確認しましょう。

一般的には医師による診断書や、心理士による知能検査の結果、本人確認書類、印鑑などです。

診断書は障害の種類や程度、発達状況を詳細に記載したものを用意することが重要となります。

事前に提出書類を揃えることで、申請手続きがスムーズに進みますよ。

わが家で申請した際には、以下の細かな持ち物もありました。

  • 保護者(申請者)の身分証明書
  • 子どものマイナンバーカード
  • 子どもの証明写真(申請書に貼り付ける用)

2. 申請|自治体窓口への提出

必要書類が揃ったら、子どもが住む自治体の福祉窓口に申請します。

窓口で申請書類を提出し、職員から手続きの説明を受けます。

書類不備がある場合はその場で指摘されることがあるため、事前に確認しておくと安心です。

また、手続きの際には保護者の署名や押印が必要になることもあります。

3. 判定委員会による審査

提出された書類や検査結果をもとに、自治体の判定委員会で障害の程度を審査します。

委員会には医師や心理士、教育関係者が参加する場合が多く、子どもの知的機能や生活面での支援の必要性を総合的に評価するようです。

この段階で、A・Bなどの等級が決定され、手帳交付の可否が判断されます。

わが家が住む自治体では、一度本人を連れた面談がおこなわれました。

発達センターや児童相談所でおこなわれることが多いそうなので、事前に場所を確認しておいてくださいね。

さて、まめの面談の場合は、なんと所要時間3時間!

はち
はち

最初2時間といわれていたので、思ったよりかかってしまい、わたしもまめもクタクタでした(笑)

面談でおこなったのは、以下のことです。

  • 心理士さんと子どもの面談(親は待合室で待機)
  • 心理士さんと親の面談(子どもは待合室で待機)
  • 子どもの心理検査(田中ビネー)

もっとも時間を要したのは、まめが受けた心理検査(田中ビネー)でした。

田中ビネーとは、子どものIQや精神年齢がわかる検査で、一般的には30分から1時間ほどかかるそうです。

4歳から11歳までの問題を1つ1つ出題していくのですが、当然先生と1対1のテスト形式で進むので、まめは集中力が切れてしまったようで…

いったん中断して、わたしと心理士さんの面談を挟み、まめには休憩していてもらいました。

そして、30分後くらいに再開し、やっとまめの心理検査が終わった…という感じでした。

はち
はち

心理検査の間は待合室で待機していたのだけど、わたしもけっこう暇でしんどかったです(笑)

さて、そんな面談も終わり、結果通知はまだ先ということでしたが

心理士の先生
心理士の先生

簡単にまとめた結果、おそらく軽度知的障害ということで手帳の対象にはなると思います

と言っていただき、会場をあとにしました。

1ヶ月ほどして、心理士の先生がおっしゃった通り軽度知的障害(B-2)という判定がなされ、療育手帳が届きました。

4. 手帳の交付と活用

判定後、手帳が交付されます。

交付された手帳は医療費助成や放課後等デイサービス、特別支援教育、公共施設の割引など、さまざまな支援の利用に役立ちます。

また、学校や支援機関に提示することで、子どもの特性に合わせた教育・生活支援を受けやすくなり、保護者の負担軽減にもつながりますよ。

はち
はち

わが家では、通常学級から支援学級に転籍する際にも療育手帳を提出しました!

教育センターの担当者の方には、療育手帳を提出できると事前にお伝えしていなかったので(取得できるかわからなかったため)、当日サプライズで出すようなかたちに。笑

教育センターの担当さん
教育センターの担当さん

えっ!療育手帳あるの!?なぁんだ、それなら話が早いかもしれませんよ~!

と、療育手帳があるだけで手続きがスムーズに進む可能性があると教えてくださいました。

まとめ

知的障害の子どものために療育手帳を取得することで、家庭の負担軽減や学校・支援機関との連携がスムーズになります。

取得は任意ですが、医療費助成や学習支援、公共施設の割引など、さまざまな優遇措置を受けられるメリットがありますよ。

また、障害者手帳との違いを理解し、子どもの特性や生活環境に応じた支援を活用することが大切ですね。

診断を受けたタイミングで、手帳取得を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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