【発達っ子ママ体験談】発達障害児がコミュニケーションを苦手とする理由や鍛え方は?

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発達障害児は、コミュニケーションにおいて困難さや課題がみられることがあります。

この記事では、発達障害児を育てるわが家から、発達障害児のコミュニケーションについて解説してみたいと思います。

わが家のまめも、特に同年代のお友達とのコミュニケーションが大きな課題でした。

どうして発達障害があるとコミュニケーションが苦手になるのか、記事を読んでくださる方に正しく伝われば幸いです。

また、発達障害をもつ子どもがコミュニケーション力を鍛える方法や、わが家で行ってきた対策についてもシェアしていきますね。

なぜ発達障害児はコミュニケーションが苦手?

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発達障害があると、コミュニケーションにおいて困難さや課題が生じることがあります。

これは、発達障害という特性上、定型発達の子ども(発達障害児ではない子ども)が成長とともに学ぶコミュニケーション力を、同じスピードで習得できないことが理由です。

発達障害とひとくちにいっても、発達障害の種類によってコミュニケーション面で苦手を感じる部分が異なります。

参考:政府広報オンライン

1つ1つ、詳しく解説していきましょう。

ASDの場合:相手の気持ちが理解できない

発達障害の中で、ASD(自閉スペクトラム症)の場合は、以下のコミュニケーションが苦手とされています。

  • 相手の気持ちが理解できない
  • 抽象的概念(「あれ」や「さっきの」など)が理解できない
  • 人に興味がない

発達障害の中で、特にコミュニケーション面で困難さがみられるのがこのASDで、かつては「自閉症」と呼ばれていました。

基本的に幼児期から人に興味を示さないのが特徴で、人に興味がないがゆえにコミュニケーション力を鍛えるのが難しいというのも、理由の1つです。

はち
はち

でも、人に興味がないのはASDの特性なので、無理やり「人に興味を持って!」というのも難しいんです

ASDの子どもはコミュニケーションが苦手な傾向にありますが、その子のペースに合わせて「コミュニケーション力を上げる」というよりは「生きるための社会性を身につける」ことが大切です。

参考:LITALICOジュニア

ADHDの場合:衝動的に行動してしまう

発達障害の中で、ADHD(注意欠如多動症)の場合は、以下のコミュニケーションが苦手とされています。

  • 衝動的に叩いたりものを投げたりしてしまう
  • 多動性があり常に落ち着きがない
  • 一方的にしゃべり続けてしまう

ADHDは、ASDと比較するとコミュニケーション面で困難を感じない子どももいます。

参考:kizuki

しかし、ADHDの特性である「衝動性」「多動性」により、周囲のお友達が困惑したり不快な思いをしたりすることがあります。

わが家のまめは、小学校入学後にADHDの特性が現れ始めました。

衝動性と多動性により、お友達との関係構築に苦戦していましたが、はじめは本人もそこまで気にしていませんでした。

しかし、2年生、3年生と学年が上がるごとに

なぜお友達とうまくコミュニケーションがとれないのだろう?
間違ったことをしているつもりはないんだけど…

と、若干の苦手意識を持つようになりました。

幸い、まめの通う効率小学校は合理的配慮にも気を配ってくれる学校で、まめにもほかのお友達にも丁寧な話し合いの場を設けてくれたり、個々に合った注意の仕方をしてくれたりしました。

まだまだ課題は多いですが、まめの場合は学校生活を通して少しずつ少しずつ、お友達との距離感を学んでいます。

はち
はち

現時点で、まわりのお友達より1年遅れくらいでコミュニケーションスキルを獲得しているように思います

LDの場合:学習面で自己肯定感が下がる

発達障害の中で、LD(学習障害)の場合は、以下のコミュニケーションが苦手とされています。

  • 学習面で遅れをとり自己肯定感が下がる
  • コミュニケーション方法がわからないことがある

LDは「学習障害」と呼ばれ、主に学習面で著しい遅れを見せる発達障害です。

コミュニケーション面での遅れはありませんが、学習面での遅れが要因となり対人関係に困難さが生まれることがあります。

学習障害は単なる「勉強不足」「努力不足」ではないのですが、周囲から理解を得られないと、テストの点数が低かったり叱られたりすることがあるでしょう。

はち
はち

学習障害は脳機能の障害なので、まわりの子と同じ方法で学習してもなかなか身につかないんです

LDの子どもは、文字を読んだり書いたりすること、そして推論したりすることが苦手なため、文字上のコミュニケーションが円滑に進まないことがあるでしょう。

国語や道徳などの本を読む授業で、班ごとに話し合って意見を出すというグループワークがあった場合、疎外感を感じてしまうかもしれません。

大人であれば仕事のメールの内容が理解できなかったり、相手の意図がわからずスムーズにやりとりができなかったりする悩みがあるようです。

LDはもともとコミュニケーション面で困難さを感じる特性はありませんが、LDならではの特性が要因となり対人関係が消極的になってしまうことがあります。

参考:マイナビ

チック症や吃音症の場合:思うように話せない

チック症や吃音症の場合、コミュニケーションの前に「言葉を話すこと」に対し困難さを感じることがあります。

チック症、吃音症の特性は以下のものです。

チック症咳払いが出る
鼻をすする
状況に関係なく声が出る
まばたきが多い
首振りをする
吃音症言葉を話し始めるタイミングが
スムーズではない

チック症も吃音症も、コミュニケーション面における障害ではありません。

しかし、コミュニケーション方法の1つである「会話」「話」において困難さを感じる発達障害なので、コミュニケーション自体が苦手になる可能性があります。

場面緘黙症の場合:話す勇気が出ない

場面緘黙症の場合、特定の状況下で話すことができなくなってしまい、コミュニケーションに支障が出ることがあります。

家庭では問題なく話せているのに、学校やお友達の前だと話せなくなるのが代表的な症状。

このため、学校でのコミュニケーションがスムーズにできない、集団の中にいると恐怖感を感じるなどの課題が生じる可能性があります。

参考:済生会

発達障害児のコミュニケーション力を鍛える方法は?

発達障害 コミュニケーション

発達障害を持っていると、その特性ゆえコミュニケーションに支障が出ることがあります。

では、発達障害を持った子どものコミュニケーション力を鍛えることはできるのでしょうか?

大前提として、発達障害児本人に無理をさせたりつらい思いをさせたりする方法で、コミュニケーション力を鍛えることはNGです。

それをふまえ、以下のような方法でコミュニケーション力を支援することができるでしょう。

本人に合った方法を採用する

発達障害児のコミュニケーション力を鍛えるには、それぞれの発達特性に合った方法を採用することができます。

発達障害によってコミュニケーションに支障が出る部分が違ったり、困りごとが違ったりします。

また、発達障害だけではなくそれぞれの子どもによっても、苦手なことが違うでしょう。

そのため、決まった方法でコミュニケーション力を鍛えようとするよりは、本人に合った方法を模索し、家庭や学校などで多角的に実践することが大切です。

児童発達支援や放課後等デイサービスを活用し、児童発達の専門家の支援を受けるのも有効な方法です!

以下にて、それぞれの発達障害に応じたコミュニケーション方法の鍛え方を解説します。

あくまで例であり、最終的にはその子に合っているかどうかが重要になりますので、参考にしてみてください。

発達障害の種類鍛える方法
ASD視覚補助を使って指示を理解しやすくする
ルールのある遊びをして社会性を鍛える
先の見通しを教えておき不安を解消する
ADHD短く具体的な言葉を使って理解を促す
気の散る環境を避ける
正しい行動ができたときには思いきり褒める
話を最後まで聞き自信をつける
LD苦手分野を適切な方法で学習する
苦手分野における課題の量や質を調節する
チック症
吃音症
苦手なことに無理に取り組まない
得意分野で活躍できる方法を採用する
場面緘黙症無理やり話させようとしない
場合によっては心療内科で
治療や薬物療法を受ける

参考:厚生労働省

上記は発達障害の種類に応じた方法の一例です。

それぞれの子どもに合った方法を模索するのがベストであり、それには専門家の力が必要なこともあるでしょう。

周囲に追いつこうとしない

発達障害児のコミュニケーション力を鍛えるには、周囲に追いつくことやお友達と同じようにできることを到達点としないことが大切です。

発達障害の有無に関係なく、できる・できないを周囲と比べることは子どもの自尊心を傷つけてしまいますよね。

発達障害があると、自分の意思に反した行動をとってしまったり、不適切な行動だと理解できなかったりすることがあります。

発達障害は「わがまま」「やればできるのにやらない」と思われることがありますが、そうではなく脳機能の障害だということが証明されています。

そのため、頑張らせて周囲に追いつこうとしたり、お友達と同じようにできることを目標としたりすることは避けましょう。

はち
はち

ひと昔前と比べると、現代は個性や個々の能力を尊重する教育スタイルも増えてきましたよね!
社会全体がそうなっていくと良いなぁ

周囲が特性を受け入れ理解する

発達障害をもつ子どもがコミュニケーション力を鍛えるには、本人の努力というよりも以下の要素のほうが大切です。

  • 周囲の理解
  • 本人が無理をしない環境

発達障害児にとって「できないことをできるように努力する」というのは、難しいものです。

定型発達の子どもにとっては「頑張ったらできるようになった」という達成感を感じられることも、発達障害があるとなかなかスムーズに進まないことがあります。

特にコミュニケーションは、1度や2度うまくいったからといって改善されるものではなく、長期戦になるでしょう。

長い間努力を強要することは、発達障害児本人にとってつらい時間となってしまいます。

そのため、発達障害児がコミュニケーション力を鍛えるためには、理解のある環境に身を置くことが重要な要素となるでしょう。

はち
はち

周囲の理解を求めることは甘えやわがままだといわれることもありますが、発達障害児にとっては本当に大切な環境なんです

理解のある環境に身を置くということは、場合によっては療育サービスを活用したり、通常学級ではなく支援級に在籍したりすることも必要になるかもしれません。

発達障害児もそうでない子どもも、健全な教育が受けられるような環境が理想ですね。

発達障害児がコミュニケーションを学べる場所は?

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発達障害児がコミュニケーション力を鍛えたり、社会性を身につけるトレーニングが受けられたりする場所があります。

コミュニケーションは社会で生きていくために大切な意思伝達の方法なので、家庭だけで完結させるのは難しいですよね。

家族ではない人とどのようにして関わっていくかを学ぶのも、コミュニケーション力を鍛える方法の1つです。

発達障害児がコミュニケーションを学ぶには、療育サービスを活用することをおすすめします。

療育サービスは年齢ごとに名称が異なり、以下のようになります。

年齢療育サービスの種類
未就学児児童発達支援
小学生以降(18歳まで)放課後等デイサービス

療育サービスでは、各施設で「個別支援計画」という発達に応じたプランを立てて、総合的な支援を提供してくれます。

個別支援計画は、子ども1人ひとりにオーダーメイドで提供する支援内容を記載した書類です。

コミュニケーション力を鍛えたい場合には、施設の担当者と面談の上、コミュニケーション力向上のための計画を立てて、支援につなげることができます。

はち
はち

コミュニケーションだけでなく、心身の健康や運動面など、社会参加に向けて総合的な発達を促す取り組みを行ってくれます!

家庭だけで鍛えるのは難しいコミュニケーション力。

幼稚園や学校では、先生の目が行き届かないなどの理由で配慮してもらうことが難しい場面もあるでしょう。

そんなとき、療育サービスを活用して子どものコミュニケーション力を伸ばしてあげることが期待できます。

療育を受けることにデメリットはないというほど、発達障害児にとって良いことばかりです。
コミュニケーション力を鍛えたいご家庭では、ぜひ利用を検討してみてください!

「コミュニケーションが苦手?」に気付くポイント

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発達障害児がコミュニケーションを苦手としているか、ご家庭で見極めることができたら、適切な支援につなげやすいですよね。

コミュニケーションが苦手な発達障害の中には、幼児期の早い時期で兆候が見られるものがあります。

「コミュニケーションが苦手かもしれない」と気づくポイントをまとめてみましょう。

お友達に関心を持っているか

コミュニケーションが苦手であることに気付くポイントの1つは、お友達に関心を持っているかどうかです。

人に関心を持っているかどうかは、特にASD(自閉スペクトラム症)であるかどうか判断するヒントにもなる重要なポイント。

参考:発達障害教育推進センター

ASDであるかどうかは置いておいても、お友達に関心を持っているかどうかで幼児期のコミュニケーション力は左右されます。

わが家のまめは、幼稚園児の頃ほとんどお友達に関心を持っていませんでした。

幼児期の子どもはお友達に関心をもって遊びに誘ったり、複数名で遊んでいるお友達の輪に入ったりするコミュニケーションを学びます。

参考:保育士くらぶ

まめはその時期に適切なコミュニケーションを学べなかったため、幼児期で獲得するはずだったコミュニケーション力を小学校に入学してから学ぶことになりました。

はち
はち

まめは幼児期に発達検査を受けていますが、発達障害という診断が下りなかったので、療育につなげるタイミングも遅くなってしまいました

幼児期にお友達に関心を持っているかどうかは、発達障害の有無だけでなくコミュニケーションが苦手かどうかを見極めるポイントの1つになると思います。

我慢することや待つことができるか

コミュニケーションが苦手であることに気付くポイントの1つは、我慢することや待つことができるかです。

我慢することや待つことは、乳幼児にはまだ難しいと思うので、小学生以降でチェックしてみると良いかもしれません。

我慢することや待つことができるかどうかは、ADHD(注意多動欠如症)かどうかを見極めるのに重要なポイントといえます。

ADHDには衝動性や多動性があるので、幼児期や学齢期から「自分の番が来るまで我慢する」「順番を待つ」といった行動が難しい傾向にあります。

わが家の娘・ナツは、2~3歳まで順番を待つことができず、並んでいるお友達を抜かそうとしたり、順番を待っている間にぐずり始めたりしました。

しかし、幼稚園に入園し整列したり集団生活をしたりするうちに、ごくごく自然に我慢することや待つことを学んでいきました。

しかし発達障害のあるお友達の中には、年齢に関係なくこういった自己制御が難しい子もいました。

ちなみに、まめはADHDの傾向も強い子なのですが、実は我慢することや待つことで困難さを感じることはほとんどなかったんです。

はち
はち

発達障害って本当に十人十色ですよね…!

会話や抽象的概念を理解できるか

コミュニケーションが苦手であることに気付くポイントの1つは、会話や抽象的概念を理解できるかです。

お友達との何気ない会話を理解して聞いているか、先生が話す集団指示が通っているかをチェックしてみてください。

「昨日ママと〇〇に行って…」「スイミングやってるんだけど〇〇ちゃんはやってる?」など、子ども同士の会話を理解できていないようであれば、コミュニケーションが苦手な傾向にあるかもしれません。

ASDやADHDをもつ子どもは「具体的で短い言葉」でなければ理解することが難しく、特に長々と説明されると、最後の部分しか記憶に残っていないことも。

たとえば、先生がクラス全体に向かって

学校の先生
学校の先生

次は体育館へ移動なので、体操着に着替えてトイレを済ませてから、廊下に背の順で並んでください

という指示をしたとします。

コミュニケーションが苦手な子どもや発達障害児は、最後の「廊下に背の順で並ぶ」という部分しか覚えられない可能性があります。

はち
はち

「集団指示が通らない」というのは、ある種コミュニケーションや発達における課題を見つけるきっかけになるでしょう

まとめ

発達障害児がコミュニケーションを苦手とする理由について、解説しました。

発達障害にはさまざまな種類がありますが、総じてコミュニケーションが苦手な傾向にあります。

それは脳機能の障害によるものという理由もあれば、発達障害の特性によって「人とかかわりたくない」「話したくない」と思ってしまったり、自信を喪失してしまったりすることも原因となります。

しかし、適切な福祉サービスにつなげたり、理解のある環境を見つけてあたたかく見守りながらステップアップしたりすることで、コミュニケーション力を育むことが可能です。

コミュニケーション力は、必ずしも高ければいけないわけではありません。

しかし、社会生活を送る上で人とかかわったり助け合ったりすることは、生きるために必要なスキルですよね。

「コミュ力の高い子に!」という意味合いではなく「生きるための社会性を身につける」ということを目標に、子どものペースでゆっくりと成長していきましょう!

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