「レイトトーカー」という言葉を聞いたことがありますか?
レイトトーカーとは、言葉の理解や知的な発達、社会性には問題がないにもかかわらず、話し始めるのが遅い子どもを指します。
主に2~3歳で語彙が少なく、2語文を話さない状態をいいます。
子どもの言葉が周りより遅かったり、同月齢の子と比べて差があったりすると、心配が膨らんでいきますよね。
しかし、言葉が遅くてもその後スムーズに言語が伸びていく「レイトトーカー」であるケースもあるんです。
レイトトーカーである場合、適切な理解と子どもへの関わり方が大切になります。
この記事では、レイトトーカーの特徴から、言葉が遅れる原因、家庭でできる支援、受診の目安、そして発達障害との違いまで、総合的にわかりやすく解説。
焦りや不安を抱えがちな時期だからこそ、正しい知識を持ち、子どものペースに合わせながら成長を支えていきましょう。

レイトトーカーとは

レイトトーカーとは、2歳前後になっても実用的な言葉が十分に出ない子どもを指す言葉です。
言葉以外では大きな発達の遅れがないケースを含み、遅れているのは言葉だけで、指差しやアイコンタクト、模倣、身振りなどのコミュニケーション手段は理解できていることが多いようです。
そのため、レイトトーカーの場合は時間の経過とともに語彙が増えたり、5歳くらいまでに同年代の子に追いついたりする子も少なくありません。
実は「レイトトーカー」は、医学的な診断名ではありません。
あくまで「言語発達のスピードが平均より遅い」という傾向を示す表現であり、発達障害の一部ですらないのです。
そのため、レイトトーカーと発達障害は区別して考える必要があります。
また、成長のペースは個人差が大きく、言葉が出る時期は子どもによってさまざま。
言葉の発達が遅れていることをマイナスと捉えるよりも、その背景にどのような要因があるのかを丁寧に見ていくことが大切なんですね。
レイトトーカーの主な特徴
レイトトーカーの子どもには、言葉以外のコミュニケーションが比較的保たれているという特徴があります。
たとえば、名前を呼べば振り返る反応があり、欲しいものがあると大人の手を引いて意思表示したり、表情の変化を豊かに出せたりすることがあるようです。
言葉は出ていなくても、音声として「あー」「うー」といった喃語を出すことはでき、意図的な発声が見られることも。
また、一度言葉が出始めると語彙が急速に増え、会話の習得がスムーズに進む子もいるんです。
このため、言語理解が保たれている場合は発達障害の可能性は低いと考えられ、焦りすぎず成長を見守る姿勢が重要です。
レイトトーカーと発達障害の違い
レイトトーカーと発達障害は、特徴が似ているため混同されることがあります。
しかし、根本的な性質が異なりますので、分けて考える必要があるでしょう。
発達障害の場合、言葉の遅れに加えて、対人コミュニケーションや社会性、興味の偏りなど、複数の領域で特徴が見られます。
一方、レイトトーカーである場合、日常のやりとりや模倣は問題なくできていて、言語コミュニケーションだけが遅れているのが特徴です。
言語以外の、いわゆる「非言語的コミュニケーション」が発達している場合は、発達障害である可能性は除外されるでしょう。

ただし、言語発達だけでは発達障害の有無は判断できません。
親御さんが「うちの子の場合は発達障害ではないだろう」と判断をせず、専門機関での評価が必要な場合もありますよ。
早期支援につなげるためにも、家庭だけで判断せず専門家の意見を取り入れることも検討してみましょう。
レイトトーカーの男女差
レイトトーカーは医学的な診断名ではないものの、男女で発生率が異なることが指摘されています。
一般的には、男児のほうが言葉の発達が遅い傾向があるそうです。
これは、脳の発達の違いや、興味関心の向き方の差が影響していると考えられています。
参考:ダイヤモンドオンライン
男の子は、言葉よりも「身体的な動きの発達」が先に進むことが多く、運動や身体を動かす遊びに関心が向くことが多いんです。
しかし、レイトトーカーの男女差はあくまで統計的な傾向であり、個々の発達に当てはめて断定するべきではないでしょう。
大切なのは、個別の発達の様子を丁寧に観察し、困りごとがある場合は早めに相談すると意識することです。
レイトトーカーはなぜ言葉が遅いの?

レイトトーカーの言葉が遅れる背景には、多様な要因があります。
それらは単独ではなく、複数の要因が重なり合って影響することが一般的なんです。
言語発達には感覚、運動、認知、社会的関係など多くの要素が関係しています。
それらのいずれかの発達に遅れや偏りが生じると、結果として総合的に、言葉の習得に時間がかかることがあります。
保護者が「自分の関わり方が悪いのでは」と考えることもありますが、家庭環境だけが原因となることは少ないともいわれていますよ。
それよりも、子どもの生まれ持った気質や感覚処理の特徴が影響しているほうが多いようです。
原因を見極めることは、不必要な不安を減らすと同時に、適切な支援につなげるための重要なステップとなります。
ここからは、レイトトーカーの言葉が遅くなる原因と考えられるものを1つひとつ見ていきましょう。
気質や性格の影響
子どもの気質は、言語発達に大きく影響します。
慎重で観察型の子どもは、新しい行動を試す前に周囲を十分に理解しようとする傾向があり、言葉の発信がゆっくりになることがあるそうです。
また、自己主張をあまりしない性格の子どもは、言葉で表現する必要性を感じにくく、発語が少なくなることも。
参考:AIAI VISIT
そして、言葉よりも身体活動が優先されるタイプの子は、動きの発達が先行し、言語獲得が後回しになったりもするそうです。
このように「気質」というのは生まれつきの要素が大きいため、子どもに合わせた関わりが必要なのですね。
聴覚や感覚処理の問題
言葉を覚えるためには、音を聞き取り意味を結びつける力が必要です。
しかし、軽度の難聴や滲出性中耳炎などにより、音が聞こえにくい状態が続くと、言語習得が遅れることがあります。
また、聴覚過敏や聴覚処理が苦手な子どもは、環境音に圧倒されやすく、必要な音声に注意を向けることが難しいことも。
聴覚の問題が疑われる場合は、小児科や耳鼻科での検査が推奨されるでしょう。
早期発見できれば適切な治療や支援につながり、言語発達が改善される可能性が高まりますよ。

わが家は発達障害&知的障害でしたが、聴覚処理が苦手な傾向にあった(=視覚優位だった)ので、やはり言葉は遅めでした
家庭環境や生活リズムの影響
テレビやタブレットなどの受動的なメディア接触が多い場合、会話の機会が減り、言語発達に影響することがあります。
また、生活リズムが不規則で睡眠不足が続くと、集中力が低下し言葉の獲得が遅れることも。
しかし、これは家庭の努力不足ではなく、現代の忙しい生活の中で起こりやすい要因です。
子どもの生活環境を少し整えるだけでも、言葉の伸びに良い影響を与えやすくなるでしょう。
レイトトーカーは支援が受けられる?

レイトトーカーである場合、支援が受けられることがあります。
支援というと、実際に発達障害や知的障害などと診断された子どもが対象だと思われがちなのですが、実は子どもの困りごとに合わせて選ぶことができるんです。
レイトトーカーの子どもが利用できる支援は、多岐にわたります。
支援を受けることは子どもの成長を促す有効な手段として活用でき、保護者の不安軽減にもつながるでしょう。
支援を受けるか迷う家庭も多いと思いますが、相談すること自体にデメリットはなく、安心材料を増やす機会になりますよ。

どんな支援を受けるにしても、相談だけだったら無料なので、ぜひ検討してみてくださいね
言語聴覚士(ST)による指導
言語聴覚士は、言葉の理解や発語の難しさに対して専門的な視点からアプローチする資格を持つ専門家です。
子どもの言語発達の状況を評価し、発音のトレーニングや語彙を増やす支援、コミュニケーションの力を育てるための遊びを通した介入を行います。

言語聴覚士の支援は、子どもの個性や発達段階に合わせて行われ、家庭での声かけの方法についてもアドバイスをもらうことができますよ。
専門家の存在は、保護者にとっても心強いものです。

わが家でまだ発達障害の診断がつく前は、言語聴覚士の先生に月1回の言語指導を受けていました

先生と一緒にことば遊びをしたり、お手本を見ながらブロックを同じように組み立てたり、お勉強のような遊びのようなことをたくさんしたよ
しかし、わが家の場合は結局レイトトーカーではなかったからか、言語聴覚士さんの指導を受けても根本的な解決につながらなかったんです。
そして、結局発達障害を疑い、療育を受けることにしました。
ことばの教室・通級指導
教育機関が提供する「ことばの教室」では、学校や幼稚園に通いながら言語の支援を受けることができます。
集団より個別の環境で指導が行われることが多く、子どものペースに合わせた支援が可能です。
通級指導は、言語だけでなく発音やコミュニケーション全般をサポートする役割もあります。
そのため、レイトトーカーの子どもにとっても有益な支援となるでしょう。
医療機関での相談と評価
言葉の遅れが気になる場合、小児科や発達外来で専門的な評価を受けることができます。
医療機関では、言語理解、発語、コミュニケーションの発達を総合的にみて、必要な支援につなげてくれるでしょう。
もしレイトトーカーではなく「発達障害」の可能性がある場合でも、医療機関経由であれば早期に対応してもらうことができます。
レイトトーカーだとしても、発達障害だとしても、早期に発見し適切な支援につなげることが重要。
医療機関に相談することは、子どもの将来にとってメリットが大きいといえるでしょう。
相談のタイミングに迷ったら、まずは検査を受けることをおすすめします。
言葉を伸ばすために家庭でできること

レイトトーカーの言葉を伸ばすためには、家でできることがあります。
とはいえ、特別な教材を用意する必要はなく、日常の中で少し意識を変えるだけで大丈夫。
家庭で少しフォローするだけで、子どもの言語発達に影響を与えることができるでしょう。
家庭でのかかわりは、子どもの安心感や信頼感を高め、会話をしたいという意欲の向上にもつながりますよね。
親御さんが負担にならない方法で継続していくことが、効果的な手段となります。
ここからは、レイトトーカーが疑われる子どもに対して、家庭でできることを見ていきましょう。
子どもが興味を持っているものを言語化する
言葉を促すために、子どもが注目しているものや、興味を持っている対象を言葉で説明してみましょう。
子どもにとって興味のあることが対象となるため、語彙の習得が促進されやすいでしょう。
指差しのタイミングに合わせて、それが何なのか「名称」を伝えるだけでも効果がありますよ。
子どもが、指を指したものの名前を理解しやすい状況をつくることができますね。
また、同じ言葉を繰り返し使うことで、子どもの脳に記憶されやすくなりますよ。
ゆっくりはっきり話しかける
子どもの言葉を促すには、大人が普段以上にゆっくり話すことを心がけてみましょう。
それだけで、言語習得に時間がかかっている子どもでも音声を聞き取りやすくなります。
言葉を聞き取りやすいだけで、言語理解が深まるでしょう。
また、短い言葉を繰り返し使うことや、子どもが何か反応したら肯定的なリアクションを返すことも、言葉の意欲を高める効果がありますよ。
子どもに「話させよう」と焦るのではなく、安心して発声できる環境を整えることが大切です。
絵本を使ったコミュニケーション
絵本は、言語発達に大きな影響を与えるツールです。
言葉を促すために、ぜひ絵本の読み聞かせをしてあげましょう。
読み聞かせを通して語彙を増やすだけでなく、親子のコミュニケーションを深め、言葉への興味を育てることが期待できます。
絵を指差して言葉を添えたり、簡単な質問をしてみることで、子どもの言語理解を自然に広げることができますね。
レイトトーカーである場合の相談先

子どもがレイトトーカーである可能性があれば、親御さんは「どこかに相談できるのかな?」と考えることでしょう。
レイトトーカーは発達障害とは違いますが、それでもかかわり方や言葉の伸ばし方について相談することはできます。
相談先は複数あり、それぞれ役割が異なるため、子どもの状態に合わせて利用しましょう。
早い段階で適切な機関に相談することで、必要な支援につながるかもしれません。
親御さんも、1人で抱えなくてもよいという安心感を得ることができ、不安軽減にも効果的ですよ。
また、相談すること自体にリスクはないため、迷ったときは早めに行動を起こしましょう!
市区町村の子育て支援窓口
自治体の子育て支援窓口では、言葉の遅れに関する相談を受け付けています。
発達相談員や保健師が対応し、子どもの発達状況を聞き取ったうえで、必要に応じて専門機関への紹介を行います。
自治体の窓口は気軽に利用でき、費用がかからない場合も多いため、最初の相談先として適しています。

そもそも、最初は「言葉が遅い」と感じるだけで、それがレイトトーカーなのか他に理由があるのかは、親御さんには判断しづらいですよね。
そのため、気軽に相談できる窓口で話を聞いてもらったり、アドバイスをもらったりすることは、子どもの状態を把握するのに効果的ですよ。
小児科や発達外来
医療機関では、言語理解や発音の評価を含め、子どもの発達を総合的に確認することができます。
必要に応じて、耳鼻科や言語聴覚士への紹介も行われます。
発達障害の可能性があるかどうかも含めて、客観的に評価してもらえるのが医療機関の強み。
専門的な見解が欲しい場合には、小児科や発達外来に相談してみましょう。

一度かかると、数ヶ月おきに先生と会って経過観察をしてもらえるので、継続的にようすを見てもらえて親御さんも安心!
ことばの教室・心理士
教育機関や心理士による評価では、コミュニケーションの発達段階を細かく分析してくれます。
ことばの教室は就学前から利用できる場合もあり、子どものペースで言語の力を伸ばしていく場として活用できますよ。
心理士による評価は、子どもの特性を理解するうえで重要な情報となります。
今後の支援方針を立てる際に役立つので、ぜひアドバイスを受けてみてくださいね。
まとめ
レイトトーカーは「言葉の発達がゆっくりな子ども」を示す概念であり、必ずしも発達障害を意味するものではありません。
言語以外の発達が保たれていることも多いため、適切な関わりを行うことで自然に言葉が伸びていく子も多数存在していますよ。
一方で、言葉の遅れはさまざまな要因が複合的に影響することがあり、専門家に相談することで早期に支援を受けられるケースもあります。
家庭でできる取り組みは多く、絵本や声かけ、子どもの興味を言語化することなど、小さな積み重ねが言語発達の土台をつくるでしょう。
迷ったら早めに相談し、子どものペースを尊重しながら安心できる環境を整えてあげることが、言葉の遅れに向き合う最も大切な姿勢となりますよ。













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