発達障害の二次障害とは?症状や危険性を徹底解説!予防はできる?

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発達障害 二次障害 発達障害についての情報まとめ

発達障害をもつ人が気をつけたい「二次障害」をご存知でしょうか?

発達障害は、それ自体が深刻な問題を引き起こすこともありますが、それと同じくらい重要なのが「二次障害」の存在。

二次障害とは、発達障害の特性が失敗体験と重なることで、新たにうつ・不安・引きこもりといった精神的・心理的な問題が生じる状態を指します。

発達障害の特性そのものを「一次障害」。

そしてそこから新たに生まれる障害を「二次障害」と呼びます。

二次障害を正しく理解し、適切に対処することが、本人の回復と生活の質の向上に欠かせません。

この記事では、二次障害とは何か、どのように生じるのか、そして予防や支援のためにできることを詳しく解説していきます。

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発達障害における二次障害とは?

発達障害 二次障害

二次障害とは、発達障害そのものの症状ではありません。

発達障害の特性とは分けて考えられる、いわば「新たに出てきた障害」のことです。

発達障害のある方が社会生活の中で積み重ねた失敗・挫折・孤立・否定的な体験が要因で、新たに生じる精神的・情緒的・行動的な問題の総称です。

子どもを叱る親
二次障害は、文字通り「二次」となって現れる障害

発達障害の特性自体は、生まれ持ったもの。

しかし、二次障害は環境との相互作用によって後天的に形成される点が、大きな特徴です。

適切な支援があれば防ぐことができるものであり、逆に言えば周囲からの孤立や不適切な対応が、二次障害を生み出す原因となります。

発達障害の支援において「二次障害の予防」は、一次的な特性への対応と同じくらい重要なテーマなんです。

はち
はち

わが家のまめもプレ思春期。
難しい時期に差し掛かっているからこそ、二次障害を防ぐかかわり方をより意識しています

一次障害と二次障害の違い

一次障害とは、発達障害そのものがもたらす特性のことを指します。

ASDであれば対人関係の困難・こだわりの強さ、ADHDであれば不注意・衝動性・多動などがこれにあたります。

一方、二次障害はこれらの特性が原因で生じる「生きづらさの積み重ね」から、新たに発症するうつ・不安症・反抗挑戦性障害などを指します。

一次と二次を区別することで、何に対してどのようなアプローチをとるべきかが明確になるのですね。

二次障害が生じやすい年齢や時期

二次障害は、特定の年齢に限らず生じますが、環境の変化が大きい時期に発症リスクが高まる傾向があります。

たとえば小学校高学年から中学校にかけての思春期は、対人関係が複雑化したり、学業が忙しくなったりしますよね。

さらに自己意識の高まりが重なり、二次障害が顕在化しやすい時期といわれています。

また、就職・転職・結婚・育児などライフイベントが集中する成人期も、新たな二次障害が生じやすいタイミングだそうですよ。

参考:ブレインクリニック

二次障害を生み出す要因

二次障害の発症には、本人の特性と環境の双方が関与します。

たとえば周囲から理解されず不適切な対応を受けたり、叱責や比較をされたり、いじめられたり…

このような外的要因が積み重なることで、本人の中に自己否定・無力感・恐怖などが育まれます。

また、適切な診断が遅れてしまうことも危険信号。

診断されないことで、長年にわたって「努力が足りない」「わがまま」と言われ続けることも、二次障害を引き起こすトリガーになるんです。

はち
はち

二次障害を生み出さないためにも、発達障害の早期発見や早期支援が、いかに重要かを物語っていますね

二次障害の主な種類と症状

発達障害 二次障害

二次障害には、実にさまざまな種類があります。

  • うつ病
  • 不安障害
  • 反抗挑戦性障害
  • 引きこもり
  • 摂食障害
  • 自傷行為

など、その現れ方は人によって異なります。

1人に複数の二次障害が重なって生じることもあるため、症状が複雑化すると、支援が難しくなる可能性も。

二次障害は、発達障害の特性そのものとも症状が重なりやすいので、専門家でも見極めに慎重さが求められるそうです。

それぞれの二次障害の特徴を理解することが、早期発見と適切な対応への第一歩となります。

主な二次障害の種類と、その特徴を見てみましょう。

二次障害の種類主な症状・特徴特に見られやすい発達障害
うつ病・抑うつ状態気力低下
睡眠障害
自己否定感
無気力
ASD・ADHD全般
不安障害・社交不安強い緊張
回避行動
パニック発作
ASD・ADHD
反抗挑戦性障害大人への強い反抗
怒りの爆発
ADHD(特に男児)
引きこもり・不登校社会参加の全面的な回避ASD・ADHD全般
摂食障害拒食・過食
食へのこだわり
ASD(特に女性)
自傷行為リストカット
頭を打ちつけるなど
ASD・ADHD
(思春期以降)
依存症
(ゲーム・アルコールなど)
特定行動
物質への過度な依存
ADHD

種類についてわかったところで、よくみられる事例を以下にてまとめてみましょう。

うつ病・抑うつ状態

うつ病は、発達障害に伴う二次障害の中で最も多く見られるものの1つです。

長年にわたる失敗体験や孤立、否定的なフィードバックの積み重ねによって「自分には価値がない」という深刻な自己否定に発展するものです。

気力を喪失したり、睡眠障害や食欲の低下といったうつ症状として現れます。

パニックを起こしている子ども
発達障害児にとって失敗体験は、一度や二度ではない

発達障害の特性によって疲れが溜まってしまうことが、うつの背景にあることを見落としてはなりません。

その場合、うつへのアプローチだけでは根本的な改善につながらず、また同じループに陥ってしまう可能性があるからです。

発達障害の特性を理解し、それと並行した支援が不可欠となるでしょう。

はち
はち

私はうつ病アドバイザーの資格を持っているのですが、うつ病のカウンセリングに発達障害であることは前提とされていないので、適した治療を受けることが大切です

不安障害・社交不安障害

発達障害児、特にASDを持つ人は、過去の失敗や拒絶の記憶が強く残りやすいことがあります。

「また同じことが起きるかもしれない」という予期不安が慢性化すると、不安障害に発展しやすいでしょう。

不安は、社会場面への強い回避行動として現れることがあります。

クラスで孤立してしまった子
どんなときも漠然とした不安がつきまとうことに

「社交不安障害」と診断されると、通学や就職が難しくなってしまうことも。

しかし、不安の根底に発達障害の特性が関わっていることを踏まえず、不安症状だけに対処しても限界があるのです。

発達障害の特性も加味し、包括的に評価・支援することが求められますよ。

反抗挑戦性障害・行為障害

反抗挑戦性障害・行為障害は、特にADHDのある男児に見られやすい二次障害です。

反抗挑戦性障害(ODD)というのは、叱責や否定、管理されるような関わりが続くことで、怒りが蓄積し、反発するというもの。

特に大人への激しい反抗や、ルールを守ることに対する拒否、攻撃的な言動として表出することが多いようです。

発達障害児 勉強できない 小学生 シングルマザー
溜まりに溜まった怒りはコントロールしづらい

これは、発達障害の特性ではなく、不適切な対応環境が生み出したいわゆる「二次障害」。

つまり、二次的な問題(発達障害に対し適切に支援されなかったことが生み出した新たな問題)であることを理解しましょう。

そこから支援の方向性が変わり、本人の怒りの背景にある傷ついた出来事に目を向けることが、支援の核心となります。

二次障害が生じるメカニズムとは

発達障害 二次障害

二次障害は「発達障害の特性」と「失敗体験」が複雑に絡み合うことで形成されます。

発達障害児は、定型発達児と同じ行動基準を求められる場面で、しばしば失敗することがあります。

その失敗を「自分の努力不足」「性格の問題」として受け取られ、自分でもそう感じてしまうのです。

この経験が繰り返されると、自己評価が低下したり、無力感や対人恐怖を生み出したりすることに。

やがて、精神的な問題へと発展していくのです。

二次障害は、環境によって作られるものであるという視点を持つことが、予防と支援の根本ですね。

失敗体験と自己否定のサイクル

発達障害児は、日常のさまざまな場面で「できない」「わからない」「遅い」と感じる機会が多くなるでしょう。

一度や二度ならば乗り越えられても、同じような失敗が何年にもわたって繰り返されることで「自分はどうせできない」という、学習性無力感が形成されていきます。

この無力感こそが大敵で、行動する意欲そのものを奪っていくのです。

さらに、行動したとしても失敗が増えるという悪循環が、二次障害の温床となります。

失敗の意味づけを変え、乗り越えたり受け止め方を変えていく関わりが、早い段階から必要なのですね。

周囲からの心ないマイナス評価

発達障害の診断を受けていなかったり、受けていても周囲に理解されなかったりすると、特性による言動が「怠けている」「反抗的だ」「空気が読めない」として、否定されることが多くなります。

家庭・学校・職場など、複数の場面で同時に否定されることで、本人はどんどん傷ついていくでしょう。

特に、幼少期からこうした環境が続いた場合、成人してからも対人場面で強い恐怖や不信感を感じるようになる可能性も。

周囲が特性を理解することが、二次障害の発症を大きく左右するのです。

はち
はち

言い訳がましく聞こえるかもしれないけど、発達障害や特性でどうにもできないことってたくさんあるもんね…

マスキング(カモフラージュ)による消耗

マスキング、もしくはカモフラージュと呼ばれる現象は、特にASDを持つ女性に見られるものです。

自分の特性を隠すために、多大なエネルギーを注ぎ込むことを指します。

マスクをするように、自分の特性を隠して周囲に馴染もうとするのですね。

0歳 知的障害
女性は特性を隠して明るく振る舞うのも上手だが…

うまく隠しているので、表面上は問題なく見えるかもしれません。

しかし、内側では常に自分を偽り続けているわけですから、疲労と緊張が蓄積しています。

それが突然、メンタルを崩壊させたり消耗させたりすることがあるのです。

マスキングの結果として、周囲から問題視されず、診断が遅れるケースもあります。

皮肉にも、無理して特性を隠し続けていたことで、長期間支援を受けられないまま二次障害が進行してしまうリスクもあるのですね。

二次障害を予防するために

発達障害 二次障害

二次障害は、発達障害の一次障害とは違い、防げる問題です。

発達障害やその特性に対し早期に対応することと、本人を取り巻く環境の整備を適切に行うことで、二次障害の発症リスクを大幅に下げることができるのです。

予防するポイントは、本人への支援だけでなく、家族や学校、職場など、周囲の環境全体にアプローチすること。

1人ひとりの特性を正しく理解し、その人に合った関わり方を積み重ねていくことが、精神的健康の基盤となるでしょう。

早期に支援や診断をされること

二次障害の予防において、発達障害を早期に診断することはとても重要。

診断を得ることで、本人が「なぜ自分はこんなに苦しいのか」を理解する手がかりが生まれるからです。

診断されないと、いつまでも「自分はできない」「わがままや怠け者だと言われる」という自己否定が続いてしまいます。

ソーシャルワーカー
早期に診断され、支援につながることはとても大事

自己否定から自己理解へと視点を転換できるようになれば、二次障害のリスクを減らすことにもつながりますよ。

また、診断があることで学校や職場への合理的配慮の申請が可能となりますね。

環境的な負荷を下げることができるのも、二次障害を防ぐポイントです。

診断されることはゴールではなく、より良い支援につなぐためのスタートラインだと考えましょう。

安心できる居場所が必要

二次障害の予防においては、安心できる居場所が必要不可欠です。

「自分はここにいていいんだ」と思える場所、そして人間関係を確保することが、長い人生を生きていく上で何より大切。

家庭、学校、支援機関のどこか1箇所でもいいので、本人が否定されず安心して過ごせる場を見つけたいですね。

それが精神的な安定の支えになり、二次障害を生み出す前に心を癒してくれるかもしれません。

学ぶ子どもたち
心の居場所をたくさんみつけよう

叱責や比較をされたり、誰かから管理されたりすることを減らし、今の時点で「できていること」を積極的に認める関わりが重要です。

そのようにして自己肯定感を育て、小さな成功体験を少しずつ積み重ねていきましょう。

ストレスマネジメント支援

二次障害の予防には、本人自身がストレスを認識し、対処するスキルを身につけることも重要です。

自分がどのような状況でストレスを感じるのか、疲れたときにどうすれば回復できるのか、などを言語化できるよう支援しましょう。

自信がついた子ども
専門家の支援を受けて、少しずつ自分と向き合おう

周囲の理解や支援も大切ですが、セルフケア能力も、自分の人生を充実させるためには必要ですよね。

感情の変化に気づく練習をしたり、休み方を学んだり、信頼できる大人へのヘルプサインの出し方を学んだり…

具体的なスキルとして、積極的に教えましょう。

特性の自己理解が深まるほど、ストレス対処も上手になっていきますよ。

はち
はち

ストレスとの付き合い方は、障害に関係なく人類みな必要なスキルだよね

二次障害から回復する方法

発達障害 二次障害

すでに二次障害が生じている場合、回復には時間がかかることが多いようです。

しかし、適切な支援によって確実に改善していくことができます。

二次障害の回復は、必ずしも「元の状態に戻る」ことではありません。

新たな自己理解と対処スキルを獲得しながら、より豊かな生活を構築していくプロセスです。

医療・心理・福祉・教育が連携した包括的なアプローチが理想で、回復の速さと質を大きく左右します。

本人のペースを尊重しながら、焦らず長期的に関わり続けることが最も重要です。

参考:LITALICO

精神科・心療内科での治療

うつ・不安・自傷などの二次障害が顕著である場合、精神科または心療内科による「医療的介入」が必要になるでしょう。

薬物療法(抗うつ薬・抗不安薬など)が役立つこともありますが、発達障害の特性によって、薬の効き方や副作用が異なるため、慎重さも求められます。

発達障害の診療経験が豊富な医師を選ぶことが、より的確な治療につながるでしょう。

はち
はち

子どもの特性をより知っている専門家を増やすためにも、幼児期から発達障害の専門外来にかかっておくことをおすすめします!

心理療法・カウンセリングの活用

二次障害には、心理療法やカウンセリングなども用いられます。

特に認知行動療法(CBT)とよばれる治療法は、否定的な思考パターンを修正し、より現実的な自己評価を育てることを目的としたもの。

二次障害への有効なアプローチとして、すでに広く使われていますよ。

はち
はち

二次障害だけでなく、発達障害があると自分の理想や現実をうまくマッチングできないことがあります。
その中でも、自分が生きやすくなる自己評価スキルを身につけたいですね

発達障害のある方向けに構造化された形式が開発されており、取り組みやすいんです。

カウンセリングでは、蓄積した失敗経験を安全な場で言語化し、整理することができます。

回復の重要なステップとなりますので、活用してみてくださいね。

福祉サービスの活用

就労移行支援や生活訓練、地域活動支援センターなど、発達障害のある方の社会復帰を支える福祉サービスも活用できます。

二次障害からの回復過程においても、上記のサービスは大きな役割を果たすでしょう。

同じような経験を持つ当事者同士がつながるコミュニティもあり、孤立感を解消したり「自分だけではない」という安心感をもたらしたりします。

専門家からの支援だけでなく、横のつながりを持つことは、回復のスピードを後押しする場合もあるそうですよ。

まとめ

発達障害における二次障害とは、一次的な特性と環境との摩擦が積み重なることで、後天的に生じる問題のことです。

うつ・不安・引きこもりなどの精神的・情緒的なもので、予防できる問題であることを理解する必要があります。

早い段階で診断されることや、周囲に理解されること、安心できる居場所があることが重要。

ほかにも、当事者がストレスと上手に向き合うトレーニングをすることも、二次障害の発症リスクを大幅に低下させます。

すでに二次障害が生じている場合でも、医療・心理・福祉が連携した包括的なアプローチによって回復は可能です。

本人の苦しさの背景を理解し、長期的に寄り添い続けることが大切ですね。

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